AmberTools 19のインストール覚書
Mac OS 10.15にAmbertool 19をインストールする方法が無茶苦茶難しかったので、初心者でも分かるマニュアルを備忘録も含めて投稿します。結局24時間以上格闘しています。。。
結局、うまくいきませんでした!!(2019/12/5現在)
色々試したり調べたりしても、最新版のMac 10.15でインストールした例が紹介されていないので、成功例の報告待ちです。
参考にしたブログ
インストール作業全般:
AmberTools19 - MACOS 10.14.4 - XCODE 10.2.1
gfortranのインストール
事前にインストールが必要なソフトウェアや開発ツールとその取得場所
・Command Line Tool (Xcodeからappleのdeveloperサイトにアクセスしてダウンロード)
・gfortran (gfortranのdownload site)
・homebrew (website, 指定されたスクリプトをTerminalで実行)
・xQuartz (xQuartzのdownload site)
肝心のAmbertoolは以下からダウンロードできる
Ambertool 19のbzip2 compressed archive (通常のインストーラーではない)
これだけ見ても、取り掛かるのにかなり大きな活性化エネルギーを要します。
しかし、Amberはペプチドのモレキュラーダイナミックス(MD)シュミレーションを中心に活躍の場が多い上に、グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)が存在するので使いやすさも良いです。
何しろ、Amberの力場はペプチドに最適化されたもので、記述がないものはAmberで書き足すことができるそうな。(やってみてできたらこれも記事にします。)
というわけで、私のMacBook Pro 13inch late 2017, 現OS 10.15にAmberToolsをインストールした時の流れを書いていきます!
*Terminalで実行するスクリプトの表記に関して:
$ command XXXX = command XXXX + enter(文中の$は改行の意味ではない)
#以降:スクリプトの説明。Terminalに打ち込まない部分。
1. 事前に準備が必要なソフトウェアのダウンロード、インストール
上述したものをインストールしていきます。 Terminalを使ってでインストールするものはここにコマンドをまとめておきます。
・Homebrew (下のスクリプトをTerminalに貼り付けてEnter)
$ /usr/bin/ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)"
.bash_profileとは、userホームディレクトリに存在する隠しファイルで、ls -la コマンドで存在を確認することができます。確認しても.bash_profileが見つからない場合はホームディレクトリに作ります。
$ cd 配下のディレクトリ名
#指定したディレクトリに移動する
$ cd ../
#ディレクトリを一つ戻る
これらを駆使してホームディレクトリに移動したら、
$ touch .bash_profile
これで.bash_profileが作成されたでしょうか。
$ ls -la
で確認してできていたらOK。vimモードに入り、環境変数を書き込みます。
$ vi ~/.bash_profile
#.bash_profileの中身を編集するvimモードを開く
このvimモードなるものはwindows版では全く直感的に動かずかなり苦労しましたが、mac版はあまり難しいことはありません。
覚えておかなければいけないのは、
esc: コマンドモードに切り替え
aまたはi: コマンドモードから書き込みモードに切り替え
十字キー: カーソルの移動
back spaceとdelete: 通常通りの削除機能
vimモードを終了するときは、escでコマンドモードにした後に、
:w + enter: 変更の保存
:wq + enter: 変更を保存して閉じる
:q! + enter: 変更を保存せずに強制的に閉じる
以上の基本操作を使い、以下の文章を.bash_profileに書き込んで保存して閉じます。
$ export PATH="/usr/local/bin:$PATH"
#/usr/local/binにパスを通すための作業。これ以降のアクセスを簡単にするらしい。
#コンパイラ(英: compiler)とは、コンピュータ・プログラミング言語の処理系(言語処理系)の一種で、高水準言語によるソースコードから、機械語あるいは元のプログラムよりも低い水準のコードに変換(コンパイル)するプログラムである。(cited from wikipedia)
無料で簡単に導入できるコンパイラにgccというものがあり、Homebrewをインストールしていれば一瞬でインストールできます。ちなみにHomebrewとは、macに対するあらゆるもののインストールを補助してくれるソフトウェアです。これがインストールされていれば、Terminal上でbrew install 〇〇と打つだけでインストールが始まります。
これによりgccに関連するコンパイラが一通りインストールされます。この中に重要なgfortranも入っており、gccをインストールすれば必要なものがすべてくっついてきます。
ちゃんとgccが入っていることを確認するために、
$ which gcc に対しては /usr/bin/gcc
$ which gfortran に対しては /usr/local/bin/gfortran
と表示されました(bin/gccの前にlocalを挟まない理由は不明)。
4. AmberTools 19インストール用のフォルダを作成
詳しい人はすべてTerminal上でやるらしいですが、できなかったので普通にFinder上でやりました。
Macintosh HD/Users/自分のユーザーフォルダ/
このディレクトリにappsというフォルダを作ります。
ダウンロードしたAmberTools19.tar.bz2をコピーしてappsフォルダ内に貼り付けます。
Terminalを開いたときはuserディレクトリを開いているはずなので、
$ cd app
$ ls -la
#現在のディレクトリ内のすべてのフォルダとファイルを表示。#AmberTools19.tar.bz2が入っていることを確認。
$ tar xvf AmberTools19.tar.bz2
#AmberTools19.tar.bz2を解凍して展開する
6. 環境変数AMBERHOMEの設定→configuration→make install
ついに最後の工程です。
まずAMBERHOMEという環境変数を作ります。
$ export AMBERHOME="/Users/(user name)/apps/amber18
#AMBERHOMEの定義
$ cd $AMBERHOME
#AMBERHOMEに移動
$ source ~/app/amber18/amber.sh
#インストール前に必要なスクリプトを読み込む(解凍時にできている)
./configureとは、複雑な言語をより簡略化された言語形式へとコンフィギュアーするという意味でだそうです。
configure = to arrange something, especially computer equipment, so that it works with other equipment
ロングマン英英辞書
実際のスクリプトはこちら
$ ./configure -macAccelerate clang
configureを走らせると、
There are patches available. Do you want to apply them now? [Y/N]
Should I download and install Miniconda for you? [Y/N]
と聞かれます。前者はアップデートファイルのパッチを利用できるがどうする?ということで、後者はPython2.7をインストールしてくれるMinicondaをインストールするか?という質問。両方ともyと打ってEnterを押して許可しましょう。
このコンフィギュレーションコマンドですが、参考にしたブログでも色々苦戦していまして、結果的現時点のMac OS 10.15では以下のものは機能しません。
./configure -macAccelerate gnu
./configure -noX11 -macAccelerate gnu
gnuを使う指定をした上の二つでは、gnuを指定しているが実際はclangをコンパイラとして使うことになっているからどちらかに統一しろというエラーメッセージが出ます。
実際に、AmberToolsの公式サイトのインストールガイドにも.configure should be
$ ./configure -macAccelerate clang
と書いてあります。
しかし、このインストール後、AmberToolsがしっかり動いていないなと思い、もう一度同様のインストール手順を踏んでみると、
Could not find the X11 libraries; you may need to edit config.h
to set the XHOME and XLIBS variables.
Error: The X11 libraries are not in the usual location !
To search for them try the command: locate libXt
On new Fedora OS's install the libXt-devel libXext-devel
libX11-devel libICE-devel libSM-devel packages.
On old Fedora OS's install the xorg-x11-devel package.
On RedHat OS's install the XFree86-devel package.
On Ubuntu OS's install the xorg-dev and xserver-xorg packages.
この様なエラー表示が出ました。つまり、
./configure -noX11 -macAccelerate clang
これでConfigurationしてくださいということですね。
実際に実行した所、configuration completedしました。
しかし、make installすると
warning: no files found matching 'versioneer.py'
warning: include path for stdlibc++ headers not found; pass '-stdlib=libc++' on
the command line to use the libc++ standard library instead
[-Wstdlibcxx-not-found]
In file included from src/_rdparm.cpp:17:
/Users/makoto/apps/amber18/AmberTools/src/parmed/src/readparm.h:5:10: fatal error:
'locale' file not found
#include <locale>
^~~~~~~~
1 warning and 1 error generated.
error: command 'clang' failed with exit status 1
make[2]: *** [parmed] Error 1
make[1]: *** [serial] Error 2
make: *** [install] Error 2
この様なエラーによって正常にインストールできません。
最終的にここまできてインストールできていません!(ごーん)
おまけ. Pythonの最新版へのアップデート
【2019年版】Pythonインストール・Mac編【長く安全に使える環境構築】|投資エンジニア
さて、これは非常に大変な作業でした。しかし色々なブログやホームページを読み込んだでかなり勉強にはなった気がします。
残念ながらインストールできていないので、ParallelsにLinux (Ubuntu 18.04)をインストールしてここで試してみようと思います。